2007年03月23日

闇の剣 - 記憶に残る(かも知れない)本 17

「勘兵衛シリーズ 闇の剣」 鈴木英治 ハルキ文庫


いやー、久しぶりに際立った文句もなく読めた本でした!


この作者さん、ちょっと前に「古本屋さんで本を買おう」シリーズ(勝手に命名)で名前を上げた方の一人。

あの中で未だに購入しているのはこの方だけ。


まぁ他の人の本が本屋になかったりしたのも遠因だけど、なんとなく他の方の作品は手にとっても、
「ま、今度でもいっか」
と思えちゃう中で、この方のはなんとなく購入してしまうのですよ。

で、実際に次のお話が読みたくなる。

今は、この方の本で最初に読んだシリーズ「口入屋用心棒」よりも心待ちにしているシリーズが2つある。

一つはもちろん今日のこれで、もう一つにもちょっとだけ触れてみる。

無言殺剣」シリーズ

この鈴木英治って方、お話の登場人物の設定がどれもちょっと変わっている。

例えば、上の無言殺剣シリーズの主人公は、とてつもなく強い侍なのだが、なんと!

口をきかない。
音に出しては一言もしゃべらない。

もう一人の登場人物を狂言回しのようにしてお話が進んでいくのかな、と思ったのだけど、途中で「あれれれ?」という方向になってしまった。

だけど、それでも面白い。
何故口をきかないのか、何故そのような事ができるのか、もう一人の登場人物である美しい娘との関係は?
まだ4冊しか出ていないようだけど、謎が深まっていく気がする・・・

願わくば、最初に手に取った「口入屋用心棒」のようにすぐにネタ割れさせないでね。
このシリーズも腕は立つのに木刀しか振れない、真剣を手に取ると震えが来て・・・という、以前は真剣をつかっていたのに何故!?という点と如何にして真剣が振るえる様になるのか、っていうのにわくわくしてたのに、結構あっさりめにそこら辺通過しちゃったし・・・

だけど、悪役であるはずの登場人物や、主人公の奥さんの心の機微とかがいい味出しているので、続きが気になってしまうのよね・・・
今手元にまだ読んでいない新刊がある^^;(口入屋用心棒シリーズ)



非常に失礼な言い方になるけど、この方。
最初の思いつき(舞台設定、登場人物)は非常に力が入っていて、「よーーし!これで行くぞ!」ってな感じで、勢いよく走り始めるけど、何冊か書くと(2〜3冊?)飽きちゃうんじゃないのかしら??

そんな事ないか^^;
でも急に熱が冷めたような感じで、それまで丁寧?に伏線張ってた様に思えるのにあっさりと手の内明かしちゃうって感じがするのよね・・・^^;
もしくは、え゛!そういう方向に持っていくか? みたいな^^;
これは無言殺剣にもあった。

なんせ主人公が口をきかないんだから、1冊目で「これ、この先どういうお話の作り方するんだろう・・・宮部みゆきさんに劣らぬ新しい小説技法か?もしくは敢えて難しい小説技法にチャレンジするのか?!」と期待したら、2冊目で・・・
まぁそういう形にした方が、話は書きやすいですよね、と。

でも、悪口書いているように思えるかもしれないけど、2冊目で「え゛」と思っても、その後心待ちにして4冊目まで読破して、早く5冊目だしてよーー!!!
って思ってると言えば、面白さは分かってもらえるかもしれない・・・

もちろん、この無言殺剣も今日のお題の「勘兵衛シリーズ」も池波正太郎さんや藤原周平さんを基準点としている方だったら、物足りない部分はある。


一番大きく違うのは、厳しさがない、事かな?
無常、無情っていうのがない。

これはまだ私が鈴木英治さんの作品を全部読んでいるわけじゃないから、一概には言えないけど。

でも嫌いじゃない。

それに、なんか、うーん、彼らの作品とは色も香りも違うんだけど、何か池波正太郎さんや藤原周平さんに通じるものがこれから出てくるのでは?と期待してついついこの人の作品を目で探してしまうって位の魅力は私にとってはある。


この勘兵衛シリーズも前からあるのは知っていたけど、つい4〜5日前までは手にとっても書棚に戻していた。
それが読んでみると・・・

一番ノーマルな設定かな?
1冊しかまだ読んでないけど。

でもそれがいい。


主人公も変に気負ってないし、又女性がいい。
この人、普通の人の気持ちの動きを書くのが上手と思った。
何気ない感情の吐露、っていうのか、あまりにも素直に情景を書く。
平易になりすぎる、と思う方もいるかもしれないけど、気負らず心情が伝わってくるようでいい。

まだまだ、池波正太郎さんや藤原周平さんの作品のように、どっぷりと物語の世界が自分の身体を包む、という所まで来てないけど、今の所私のお気に入りになった。



頼むよー?、明日あたりこのシリーズを買いだめしに行くけど、期待を裏切らないでねー  お願いします!
2冊目を手に取ったら、実は主人公は名うてのXXXを過去にしていた!とかは止めてね。
安手のヒーローもののような、安易な種明かしは。
この方、お話によって”私にとっては”波がある。


藤原周平さんの「明るい用心棒シリーズ」(勝手に命名)のように、等身大の人間のままいろんな物事にぶつかっていく、って設定のままにしてね。
何かふと、心を柔らかくしたい時にとかに手を出すシリーズになってね。


















ラベル: 時代劇
posted by 葉山猫 at 23:58| ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 活字 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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