もう、引退しなよ(泣
日頃、外食する時にふと頭をよぎる怖れが現実になってしまった感があるね。
大分以前、どこの店だったか。
接待?か何かで、あまり親しくない人と複数で、そこそこ高級な和食店で食事をした事がある。
確か・・・
やはり焼き魚だったけかな?
見た目きちんとしていたある男性が、もう食事もそろそろお開きという時に、手をつけてなかった焼き魚のお腹のあたりをいきなり箸でほじくった。
「?」
っていう怪訝な表情を私が浮かべたに違いない。
その人が言った事は
「こうしておけば、次の人に出せない(ふっ」
と言った事を思い出した。
その時は、
なんて下品な事をする人だろう
って印象を持った。
いや、今でもその思いは消えないが・・・
なるほど、と思う気持ちとなんて下品な、という思い。
どうしてくれる、吉兆・・・
学生時代、厨房のバイト代で大学に通っていた相方はパセリが大好きだが(笑、
普通の?店で出された添え物のパセリは食べない。
相方曰く
「使い回ししてるし、中には下に落ちたモンを使ってるかもしれん」
おい・・・
相方・・・
君の店ではそうしていたのか!
_| ̄|○
でもねぇ・・・
私も学生時代、三ノ宮の地下の食堂街のファミレスみたいな所でウェートレスのバイトしたけど、下に落ちた調理前の冷凍ハンバーグを拾ってハンバーグの山に戻したのを目撃したことがあるからなぁ・・・
オープンキッチンだって、使っている食材が果たして衛生的に保管してあったか、疑い出せばキリがない。
でもそう思わずに、調理人を、店を信じて、出されたモノを口にしてるんだよねぇ。
佐伯泰英さんの時代劇で、主人公が友人に土産で渡そうと思ってた饅頭が、ちゃんばらの最中に地面に落ち包みの上から踏まれてしまい、恐縮して渡すまいとしたら、それを目撃していた友人の貧乏浪人が、
「目に入らずば、清し、と言いましてな」
とか言って(原文うろ覚え)、踏まれた事を知らなければ美味しくいただけましょう、と家族のためにありがたく受け取って持ち帰ったというシーンがあった。
吉兆の話よりも大分前に読んだ話だけど、妙に納得して頭に残っていた。
確かにどうやって調理されたか知らずにいれば、美味しくいただけるだろう。
逆に大好きな肉の牛だって豚だって鶏だって絞められて解体する所を見た直後は、口にできるかどうか分からん。
でも・・・
今回のは違うよね。
「新鮮な」「自分達のために」「丁寧に」「清潔に」調理されたお料理にお金を出しに行ってるんだもん。
女将さんは、「食べ残し」と言われるのが不本意らしく「手付かずのお料理」と言って欲しいとメディアにリクエストしたらしいが、この期に及んで・・・
もういろんな人が言ってるけど、手付かずだろうがなんだろうが、歓談の場に出され唾液が飛んでるかも知れん、料理の上で咳やくしゃみをしたかも知れん、見た目はなんともなさそうだけど、口に入れた箸で突っついたかも知れん、というものも「絶対」あるだろうに。
一度火を入れたモノにもう一度火を入れても美味しいものなの?
ここら辺はもう2chで無茶苦茶言われてるけど・・・
刺身なんて、切った後時間が経つに連れまずくなりますよ?
料理の下手くそな私でも実感してるのに。
謝罪会見した料理長が、「(刺身は)・・・ヅケにしたり・・・」とかか細い声で答えていたけど・・・嘘と見た。
私は大いに疑ってる。
発表されてるものだけなのか?
って。
お吸い物なんか、器の蓋が閉めてあって手付かずに見えたら、鍋に戻してたんでは?
とか思うね。
月に数回とか言ってたのも嘘でしょ。
提供した人の気持ちを汲んで自分から時間の経った(劣った)料理を口にするのと、知らぬ間に人の残り物を喰わされるのとでは違うだろう。
残り物を上手にアレンジする倹約家の奥さんの作った物だって、家族以外がそれを知ったら、抵抗なく食べれるだろうか?
「これ、うちのパパ(子供)が昨日残した物だけど、手をつけてないから(笑)」
もったいない、というなら、なんで自分達のまかないにしなかったんだろう。
それだったら、なんの問題も起こらなかっただろうに。
更に、
そうやってリサイクルした料理は、箸をつける余裕がないだろうからって接待側の人間に出してたとか言ってるけど、なんて不遜で傲慢な料理人(指示したと言われる社長含む)?仲居?女将?なんだろうって思った。
接待する側に、接待が上手くいくように心配りをするのは、「できた」対処だろうが、料理をそういう観点で出すってのは違うだろう・・・
上手くいくようにプラスαする心配りと、焼きなおした料理を出すというマイナスは、相反する接客だよ。
接待する側の人間も、同じ金額を出す客だけどねぇ。
私が接待する側だったら、気を使って神経すり減らして、たまにやっと口に放り込めた料理が、誰とも知らぬ他人の「喰い残し」って知ったら、吐き戻したくなるけど。
つーか、
いちいち料理人が
「この皿は、接待される側、こっちの皿は接待する側」
と仲居さん?に細かに指図してたのだろうか?
それか客の詳細なデータを記憶するのはできた仲居さん(料理人もだけど)の条件だから
「これ、今作った皿。コッチの皿はリサイクル品」
とか言って渡し、どっちをどっちに出すのかは、仲居さんに任せたのだろうか。
・・・嘘くせー・・・
最初の謝罪会見で、料理長が
「料理人として恥ずかしい事をした」
「雲の上の人なので、抗えなかった」
とか言っていたけど、前回の賞味期限切れ騒動の後で経営側に抜擢された人らしいので、いきなりきっつい謝罪をトップの肩代わりでさせられてるのか、と同情しそうになったけど、なんだかな、だ。
分からんけど、前社長の(店の)やり方についていけずに辞めてった板前さんとかいたんでないの?(と思いたい。)
ならば、残ってたって事は、そのやり方を良しとした、という事になっちゃうもんね。
女将のささやきを長男に鸚鵡返しにさせていたシーンを思い出せば、
旦那だけど吉兆の「婿」である前社長の指示を
「まったく存じませんでした」
という女将の言い訳も厚顔無恥という感想しか出てこない。
先代が船場に吉兆をオープンした時に、この女将さんが誕生したとか聞いた。
その縁もあって、船場吉兆を受け継いだのだろうと想像する。
年上の方にこういう言い方は申し訳ないが、年寄りを大事にしたいからこそ、これ以上失態を見たくないからこそ、もう引退されることを望む。
ラベル:吉兆