2009年11月07日

天使と悪魔

gremz発芽124日目

天使と悪魔

ご存知ダ・ヴィンチ・コードの原作者ダン・ブラウンの著作。
この「天使と悪魔」が2000年に刊行され、2003年に「ダ・ヴィンチ・コード」が発売される。
ロバート・ラングドン教授登場のシリーズ第一作なわけですね。
ちなみに「ロスト・シンボル」というシリーズ3作目が今年の9月に本国では発売されたらしい。

本の要約はこれ(Wiki)
『ダ・ヴィンチ・コード』と同様、ロバート・ラングドンを主人公とする小説である。テーマは「ギリシャ的科学思想に対する批判と抵抗」である。教会が舞台になっているが、キリスト教との関係は薄く、むしろギリシャ的科学思想に対する批判がなされている。ヴァチカン市国を含むローマの町を舞台に繰り広げられる本作は、『ダ・ヴィンチ・コード』よりもアクション要素が強く、次々と起こる殺人に対して犯行予告が設定されていることから、タイムリミットによる緊張感・臨場感の演出にも成功している。

小難しい事が書いてあるが、サスペンス小説としてまずまず一級だと思う。
ギリシャ的思想ってなんだべ?
って思う方もジェットコースター的感覚を味わえて面白いと思う。
彫刻等の美術史に興味のある方はもっと面白いだろう。

ただ「ダ・ヴィンチ・コード」のようにじっくりとした謎解きをぐるぐる頭の中でいじくりながら読むタイプではない。
まー。設定が1時間ごとに人が殺されるというものだから、じっくりあっちこっち行って謎を調べるって性格のものでないしね^^;

本の読後感は
「ダ・ヴィンチ・コード」は、キリスト教そのものに対し、いや、神、に対してのファンタジーを残すものであるけど、天使と悪魔はあくまでも(洒落じゃないですぞ)人間社会の話だ。
そういう意味では、「ダ・ヴィンチ・コード」がキリスト教(カトリック)関係からボイコットを受けたというのも分かるし、2作目の「ダ・ヴィンチ・コード」がシリーズ1作目のこの「天使と悪魔」より先に注目を浴びたのもうなづける。
人間て・・・不思議なものに弱いものね(笑

謎の深さも不思議さもファンタジーも「天使と悪魔」にはあまりない。
あくまでもサスペンス。
ミステリーは二の次って感じに私には読めた。
でも、面白かった。
「ダ・ヴィンチ・コード」の方が読み物としても私は好きだけどね。

ただし、映画となると・・・

天使と悪魔
Angels & Demons

監督 ロン・ハワード
製作総指揮 トッド・ハロウェル
ダン・ブラウン
製作 ブライアン・グレイザー
ジョン・コーリー
脚本 デヴィッド・コープ
アキヴァ・ゴールズマン
出演者 トム・ハンクス
アイェレット・ゾラー
ユアン・マクレガー
ステラン・スカルスガルド
音楽 ハンス・ジマー
撮影 サルヴァトーレ・トチノ
編集 ダニエル・P・ハンリー
マイク・ヒル
配給 ソニー・ピクチャーズ
公開 2009年5月15日
上映時間 138分


映画「天使と悪魔」(Wiki)

出来の悪いサスペンス映画(笑
原作で「一流の」とつけた部分がすっぽ抜けてる。

というのが私の感想です。ヽ(´ー`)ノ



原作で丹念に書かれていた背景や、人物の心の葛藤、施設への侵入の手段・様子などがばっさり割愛されている、もしくは(薄っぺらな方へ)設定変更されているのでただただ走り回って終わり!みたいな感じ。

原作を知らずに無の状態で見れば、それなりのサスペンス映画なのかも知れないけど、んー。
それでも何がなんやら分からんし、主人公(善玉で無い方)の動機や目的が全然分からないからピンとこないんじゃないかなぁ。
「なんでこんな事までしたん?」
「お金はどしたん?」
「最終的に何をしたかったん?ん?(´・ω・`)」
って言いたくなるんじゃなかろうか(笑


私は原作を読んでいる最中にも、
「これは絶対映画化を頭に置いて書いているに違いない!」
と思いつつ読んでた(爆)

で楽しみにしていたんですよ。
映像になったら、作中に出てくる彫刻の数々を実際にじっくり見れると!
なので「天使と悪魔」をレンタルできるようになったと聞いた途端、「ぽすれん」に申し込んで、それはそれは楽しみにしていたのです。

ですが・・・
彫刻は確かに重要な要素として登場しますが、主人公が指差し、
アレだ!ソレか!被害者はどこだ!?
で終わり。

ぉぃおぃ
重要な手がかりじゃないの?
そんなに簡単に次の手がかりが分かっていいの?
そんなに簡単にこれがそうだと断定していいの?

この部分は原作を読んでいても、なんか割りとストレートに謎解きできるのね。
って感じてた部分なので、映画でわずか1秒足らずしか彫刻が映されないと(おまけに静止画像でもなく画面は動いている)その思いが更に強くなるんですね^^;

原作中でも彫刻家ベルニーニがインフィニティの一員であり、それが教会側にばれてないってのが前提でのインフィニティ組織への入団試験となってますけど(それを主人公が謎解きして追いかける)、これから入団しようって人がベルニーニの彫刻だけに焦点を絞って次を探すって・・・
矛盾してないのかな?(笑

ベルニーニの名は伏せて、何かの手がかりだけ提示して後は推測してたどり着け、ってのでかろうじて矛盾は回避できても、教会の信用を得て活動していたけど、実はインフィニティの重要な一員でした!ってベルニーニの立場を随分と危うくする入団試験だと思うのは私だけ?(笑
インフィニティの重要な隠れたプロパガンダの担い手(という設定)のベルニーニを失う危険性大じゃないのかねぇ。
もちろんフィクションだろうだけど、なんかちょこっとつじつま合わせが過ぎると感じたり・・・

ただ原作本では随所に彫刻やら当時の背景やらの薀蓄が語られるので、そこら辺が目くらまし(面白いとも言う)になって、つじつま合わせは「まー。いっか!」ってなるんだけど、映画じゃその薀蓄がばっさりないので、な〜〜んか、ただスーパーひらめき人間である主人公が走り回って指差し確認して解決しているって感じなのよね。

それと市街地の様子。
せっかくのヴァチカン・ローマを舞台にした意味があまりないような。
ただごみごみとした狭い角度のシーンが多いので、広がりが感じられません。
日本のセットだけで映した時代劇みたいな感じです。
(まー、それよりかはもうちょっとスケール大きいけど)
実際にゴミゴミして人も多い街なんだろうけど(行った事ありません^^)、もう少しなんつーか、歴史と美術のイメージが広がる映像のつながりがあってもいいような気がするんですけどぉ!

カメルレンゴという立場の人がいるとか知らなかったし、教皇が亡くなった後カメルレンゴがこんなにも強大な権力を持つのも知らなかったし(この部分はフィクションなのかな、ノンなのかな)、ヴァチカン組織と言うもののほんのちょっとした片鱗を垣間見れるのは良かったけど、その肝心の悪玉主人公の動機と最後の衝撃(行為の事じゃなく、それを引き起こすことになる例の秘密)が映画の中で一切語られないので、ついでにカリスマも描かれてないので「何を思って何をしようとしていたのか。そして最後に何を思ったのか」というお話(映画)の肝となるものがないですし、ほんと筋が唐突になっちゃってます。

おまけに最後の心への衝撃がないので、救いもないし、ラストの視聴者に何かを考えさせるという部分も奪われてます。
教皇の愛情や教会側の人間の善なる部分、スイス傭兵隊の忠誠心も描かれてません・・・
結局そのせいで、教会側の人間の最後のセリフも生きてきてません。
単なる不祥事隠しのお願いの言葉になっちゃってるような・・・


せめてアクション部分だけでも、小説最後の重要なネタばらしにつながる善玉悪玉の両方が××××××に乗る、ってのを映画に入れてればねぇ・・・
サスペンス「アクション」映画としてだけでも、一段上になったのにと・・・


とても残念な映画です。
もっともっと見終わった後に充実感が残る映画に出来たはずなのに、と思います。
ユアン・マクレガーの魅力も発揮できてないし。


なんせ、彫刻や町の様子に関して、映像で見るより本で読んだ方がまざまざと具体的な像が目に浮かぶ、という稀有な映画です。(こら



追記:
あー。この映画、ヴァチカンやローマ市内の教会内部の撮影が拒否されたの?
そうかー
だからあんな欲求不満を感じる映像構成になったのか・・・?
むー。
でも感想は感想だしね^^;
タグ:映画
posted by 葉山猫 at 15:09| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画&TV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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