2010年07月25日

ソウル・コレクター

二本目gremz発芽384日目 葉山は避暑地と誰が言った!?

ソウル・コレクター(原題:The Broken Window)
著者:ジェフリー・ディーヴァー
文藝春秋


リンカーン・ライムシリーズの日本での最新刊である。
(とは言っても、日本で発刊されたのは去年^^;)
いやー。
面白かった!

ただ、今までのようにライムの綿密で厳密な鑑識作業はほとんど出てこない。
そういう意味では、昔からある安楽椅子探偵小説になってしまってはいるが。
アクションてんこ盛りだけどね。

でも、着眼点と言うか、題材が実に現代的。
コンピュータ関係が好きな方、通販ショッピングがお好きな方、クレジットカードを良く使う方は、是非この本を読む事をお勧めしたい(笑

読むにつれ、がんじがらめになっていく恐ろしさのじわじわ感、そして一気に押し寄せる身動き取れなくなるパニック感というものが味わえますよぉ!



たまたま、いろんな賞を受賞した湊かなえ著「告白」を図書館へ借りに行ったら貸し出し中で(予約11人)、せっかく炎天下に歩いて行ったのだから何かないかなぁ〜と物色していたら見つけた。
お気に入りのシリーズなので早速借りて読んでみたのだが、最近決まった仕事のネタにも使えそうな内容だったので、なんという偶然!と嬉しくもなった。(笑

読んでいる最中は夢中で周りの空気が身体を締め付けてくるような気持ちを味わっていたが、読み終わって冷静になれば、こういう問題が起こりうる可能性は正に小説に書かれているようなビジネス状況になっていないと起こり得ないだろう、と一旦は安心した。
が!
近い将来、それもものすごく近い将来には起こりうる、と思う。
ビジネスそのものもそうだし、それを悪用する人が出る、という意味でも。


リンカーン・ライムの活躍を期待する人にはちょっと肩すかしだけど、ミステリーとしては面白いです。
たとえ致命的な欠陥に気がついたとしても、それはまぁ・・・
脳内補完すればなんとかなる!(爆)




ソウルコレクターという邦題は、ジェフリー・ディヴァー自身が日本の読者向けに選んでくれた題名らしい。
原題のThe broken windowもコンピュータを知っている人ならすぐ連想するもの以外にもひっかけてあるし、どちらの題名もいいなぁと思った^^






致命的な欠陥とは・・・


この小説は、個人情報が題材だ。
それも普段私達が思い浮かべる個人情報のレベルじゃなく、ものすっごい深さと量の個人情報だ。

確か、昔の映画でヒロインの個人情報がいじくられて出国できないとか、指名手配されてしまうとかの映画があったような気がするけど・・・
題名が思い出せない!(爆)

これの超大型版。

で、この情報を悪意を持つ第三者が手にできるとどんな事ができるか、という恐ろしさと、更にその情報を改竄できるとどんな事態が起こるか、という究極の恐ろしさが書かれている。

私が私でなくなる。
戸籍さえも書き換えられたら、肉体は存在していても「私」という個は地球上に存在していない事にされてしまう。


なのだが・・・

犯人がデータを手に入れるダウンロード手段の盲点は確かに秀逸なんだけど(とは言っても見破った人は多くいると思うけど(笑)私が鈍いだけなんだな、きっと(爆))、データ改竄手段はどうしたんだべ?

可能性としては、
1.舞台になったデータ収集会社のデータを改竄した。
 そしてそのデータをリンクしているターゲットの組織・会社にアップデートした。
2.舞台になったデータ収集会社のデータにはアクセスできないので、必要な組織の個々のサーバーにハッキングしてデータを改竄した。

2.だろうなぁ・・・


ダウンロードの手段にしても、これだけ厳重なら現場に監視カメラがないとは考えられないし・・・
盗むのにかかる時間がなぁ・・・
うーん。

監視カメラの画像データを改竄する、という手段はあるけど、こういう会社なら改竄できない(されたら分かる)ようなシステムがあるはずだし、改竄されているかどうか定期的、もしくは不定期的なチェックってのもあるはずだし・・・
でもそのプログラム自体に手を加えたら・・・
いや、でも個々の部門は違うはずだし・・・


と思考が堂々巡りしてしまうので、素直に"お話”として楽しみ、危険の可能性に恐れおののく読み方をお勧めします(爆)


まぁ、実際には悪意はなくともコンピュータのデータを盲信する、って事態は既に起こってますよね。
年金データのミスで年金を受けれなかった、とか、株式で単位を間違えて売りに出されて大損(大儲けとも言う)したりとか・・・

これらは人為的なミスが発端だけど、一旦結果として表示されたらそれを元にされてしまう、という事態は、盲信状態と一緒だよね。


以前私は、人が生まれた時点で個々の識別番号つけちゃえよ!と思っていた。
なぜなら、何かをしようとすると、あの書類持って来いとか、これそれの情報が必要です、とか、めんどくさくって仕方がない。
ある番号で一元管理できて、ある情報が必要ならデータバンクから引っ張って来いよ!なぁ〜んて思っていた。
個々の会社で必要な情報なんてたかが知れてるんだから、アクセスできる情報にはきちんと制限つけて、ってね。

だけど、この考え方がこの小説の舞台になっている会社の仕組みと一緒だ。
むーん。
問題あるのぉ。



最後に。
お話に出てくるかわいそうなお医者様。
まっさらな状態で出発できるようにしてあげます、って言われてたけど具体的にはどうするんだろう?
支払った金は実際に懐から出ているわけだし、家も実際に売られて人手に渡っているんだし。
離婚しているし(´・ω・`)

単にマイナス情報を削除して、医師免許を返しただけではなんもならないよねぃ・・・
現金ないんだし・・・
電子データいじくって、口座にお金戻してやるんだろうか?
でもその電子データ上のお金はどこから???

それに、
「あの人こんな事になっちゃったんですってよ」
という噂は知人・友人関係に知れ渡っているだろうし。
そういう部分はどうするんでぃ?

それとも正に「まっさらな状態」と言う言葉そのものなんだろか。
清廉潔白だけども、医師免許しか持っていない状態で人間関係も知らない土地で一から始めろ、なんだろか。
かわいそうになぁ・・・


おっと。
作り物のお話だった^^;


とこのように、お話の中の人達が生きています。(苦しまぎれ
個人的に、パムとルーキーと呼ばれるプラスキーがこの先楽しみ。
後、魔術師で出てきた女性マジシャンも又出てきて欲しいな。

今年ライムシリーズの最新刊「The burning wire」が本国では発刊されたらしい。
日本語版は来年以降だねぇ。

ハリーポッターは原語で読んでもなんとかなったが、このお話は無理だなぁ・・・
電子書籍で読めるならiPadでも購入して、分からない単語は指でなぞれば翻訳される、という機能に望みをかけるか?

うわ。
正に電子世界にどっぷり!


大人しく図書館に並ぶのを待つか。(ぉぃ
「華氏451度」の世界にならないように(笑




ラベル:ミステリー
posted by 葉山猫 at 10:14| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 本 活字 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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